アレッツォ (Arezzo)は、トスカーナ州 (Toscana)にある都市で、アレッツォ県の県都である。
毎月第1土・日曜に行われる骨董市と、年に2度行われるサラセン祭りの街として有名。
【アクセス】
ローマから鉄道を利用した場合、フィレンツェの手前にあるアレッツォには簡単に行けます。3時間ほどです。ローマとフィレンツエを結ぶ鉄道は主要な幹線路なので、本数も多くありますが、アレッツォに止まらない場合もありますので確認が必要です。
フィレンツエからローマに向かう場合には、1時間程で着きます。
街は五角形の城壁で囲まれた城塞都市です。しかしながら現在では城塞は一部しか残っていません。城壁の外側にある駅からは、城門を通って旧市街に入ることになるのですが、駅前通りの拡張により、城壁はほとんど残っていません。
旧市街には駅から、北に向かって坂道を登っていくことになります。1km程坂道を登り、頂上に到着すると大聖堂があります。大聖堂の東側の丘の上に、メディチ家の要塞(Fortezza Medicea)があります。
周囲の丘はオリーブ畑で、のどかなトスカーナ地方の風景が広がっています。
【歴 史】
エトルリア時代にまで遡る古い街で、ギリシャ神話の怪獣キメラ(Chimera di Arezzo BC.5世紀)の青銅像が発見されたことから、アレッツォは当時の主要都市だったと推測されています。
街の東端には、ローマ帝国時代の円形競技場の跡が残っています。
その後独立都市となり繁栄した時代もありましたが、シエナ (Siena)やフィレンツェとの抗争に明け暮れ、結局14世紀にはフィレンツェの支配下に入っています。
「芸術家列伝」の著者で自身もルネサンスの芸術家であった、ヴァザーリ(Giorgio Vasari)と、画家のモナコ (Guido Monaco)、偉大な詩人のペトラルカ (Francesco Petrarca)の出身地です。
【街を歩く】
駅前から市街地に向かう通りはモナコ通り (Via Guido Monaco)で、最初の広場にはモナコの立像があり、丘の頂上の大聖堂裏手の公園にはペトラルカの立像があります。
見どころは城壁内にありますので、全て徒歩で回ることができます。
【その他の情報】
アレッツォの歴史から観光、おすすめホテルまで網羅
259枚もの写真が圧巻です。
「イタリアトスカーナ街路紀行2012」→「アレッツォ Arezzo」
「JAPAN-ITALY Travel On-line」→「イタリア小都市ガイド」→「アレッツォ Arezzo ルネッサンスの傑作が残るトスカーナの古都 」
「イタリアふれあい街歩き」→「トスカーナ州」→「アレッツォ県」→「PDFファイル:アレッツォ Arezzo」←(リンク先は「PDFファイル」なので、右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選択してダウンロード後、PDFリーダー(Acrobat Reader等)で好みのサイズにして読むのが良いでしょう。
駅前のレプッブリカ広場 (Piazza della Repubblica)北東端から、スピネッリョ通り (Via Spinello)を南東に進み、コルソ・イタリア (Corso Italia)に左折してまっすぐに丘に向けて登って行くと、通りの名前がピレアティ通り (Via dei Pileati)と変わります。
道が左に曲がり、突き当たりでリカーソリ通り (Via Ricasoli)に左折すると、右側に見えてきます。丘の頂上にあります。
階段の上に立つ大きな聖堂で、1278年に建設が始まり、1510年になってやっと完成しています。背の高いゴティック様式の聖堂です。
正面には三カ所に扉口があり、中央扉口脇の片蓋柱は最上部まで貫き、上部には薔薇窓があります。
聖堂内は三廊式です。
中央祭壇の左手には14世紀初めのアレッツォの司教ターラッティ (Guido Tarlati)の墓碑があり、その隣にはフランチェスカ (Piero della Francesco)作「マグダレのマリア」の小さなフレスコ画があります。
左側廊の一番奥の礼拝堂にはテラコッタ製の聖母像が、右側面にはブオナミーコ作「玉座の聖母子と聖人」が飾られています。
天井は旧約聖書と新約聖書を元にした絵で飾られています。
【関連URL】
Italiavirtualtour.it (伊語)
「Cattedrale di San Donato」
http://www.italiavirtualtour.it/dettaglio.php?id=94751
初期画面は「聖堂正面」ですが、内部のヴァーチャルツアーも可能です。
画面右下の△マークをクリック→ 左から2番目の□4つアイコンクリック→
Altare:祭壇
Cappela laterare:側礼拝堂
Interno vista:内部のようす
が表示されます。
全画面表示するには→が4つ広がっているアイコンをクリック。
迫力満点ですねー。
駅前のレプッブリカ広場 (Piazza della Repubblica)から左右に元城壁があった場所に公園が展開していますが、城壁の内側に当たるスピネッリョ通り (Via Spinello)を南東に進み、ニコロ・アレティーノ通り (Via Nicolò Aretino)と名前が変わって次の交差点をマルガリトネ通り (Via Margaritone)に左折すると右側に見えてきます。
聖堂正面の扉口には差し掛け下屋があり、上には丸窓のあるロマネスク様式の小さな聖堂です。
ドゥオーモ前の広場から急坂のリカーソリ通り (Via Ricasoli)を下り、ムレッロ広場 (Piazza di Murello)の手前を細いサッソヴェルデ通り(Via di Sassoverde)に右折してしばらく進むとサン・ドメニコ広場 (Piazza San Domenico)に出ます。広場の奥に聖堂があります。
1275年以降に建設されたゴティック様式の小さな聖堂で、正面は左右のバランスを欠いていますが、右手の鐘楼は小型で鐘が二つ並んでいる、親しみやすい形をしています。
聖堂内は単廊式です。
14世紀から15世紀にかけての多くのフレスコ画で飾られています。
中央祭壇上のキリストの磔刑の板絵は1260年のチマブーエ (Cimabue)の作品です。
スピネッロ・アレティーノ作「聖ヤコブと聖ピリピ」では二人の聖人が並び立ち、周囲には両聖人の殉教の場面が描かれています。
この他に扉口脇にもフレスコ画があります。
シエナ派の画家の作品が見られます。
駅前のレプッブリカ広場 (Piazza della Repubblica)北側から市街地に向かうグイード・モナコ通り (Via Guido Monaco)を進み、モナコの立像のある広場 (Piazza Guido Monaco)を過ぎて、4本目の突き当たり右側にサン・フランチェスコ広場 (Piazza San Francesco)があります。
広場に沿って右折すると聖堂の正面に出ます。
聖堂に向かって左手の聖フランチェスコ通り (Via San Francesco)を下り、聖堂横の扉口から入ると、内陣へ入る入場券の販売所があります。
13世紀に建設されたロマネスク様式の聖堂で、扉口は一カ所でその上に丸窓がああるだけの、正面から見る限り特に特徴の無い小さな聖堂です。
聖堂内の中央祭壇の奥にはフランチェスカ (Piero della Francesca)1453年から1464年作のフレスコ画があります。
伝承によりますと。エヴァがアダムを誘惑した、楽園のリンゴの実の種がアダムの墓所で伸び、そのリンゴの木を木材としてソロモン王が宮殿建設にしようとしたところ、大きさが合わず、橋として使用していました。シバの女王が橋に指しかかると、いずれ救済者の死に関連すると認識し、ソロモンは災難を避けるために、その木材を地下に埋めて隠した、とされます。その後ローマ時代に掘り起こされ、キリストが磔刑にされた際の十字架に使用されました。リンゴの木がいかにして十字架となったのか、またどのようにしてエルサレムで発見されたかを描いた一連のフレスコ画が、「聖十字架伝説」と呼ばれています。
313年にミラノ勅令によりキリスト教を公認したローマ帝国皇帝コンスタンティヌス帝の母親のエレノア妃はエルサレムに巡礼に行き、その地で真実の十字架を発見し、一部をコンスタンティノープルに持ち帰っています。
【注】
ローマのサンタクローチェ・インジェルサレンメ聖堂の項を参照ください。
フレスコ画は三部構成になっています。
最上段の「アダムの死と埋葬」では、老齢になったアダムとエヴァの描き方が注目されます。
次いで「シバの女王とソロモン王の面会」と「聖十字架の礼賛」が描かれ、最下段には「コンスタンティヌス帝のマクセンティウスに対する戦いの勝利」が描かれています。
その左側には「聖木の埋葬」とその下の「コンスタンティヌス帝の夢」は、夜の情景が描かれた作品として最初の例とされています。
次に、最上段に「十字架賞賛」、「真の十字架の発見」で、エレノア妃の服装は描かれた時代の衣装であり、エルサレムの風景はアレッツオの街で代用しているため、当時の様相とアレッツオの状況が良くわかります。最下段は「ペルシャ王への勝利」に続きますが、戦闘場面はルネサンス時代の戦闘方式で描かれています。
側面は「ユダヤの拷問」、「受胎告知」です。
中央祭壇上にはキリストの磔刑の板絵が下げられているため、内陣に描かれた「聖十字架伝説」は良く見えません。予約して内陣の中に入り、じっくり作品を鑑賞することをお勧めします。ただし内陣に入れる時間は明記されていませんので、確認が必要です。
聖堂内にはそれ以外の絵画でも飾られていますが、特記するような作品はありません。
なお、丸窓のステンドグラスはグリエルモ・ダマルチェッラ1524年作「ホノリウス3世教皇に薔薇を献呈する聖フランチェスコ」です。
【関連URL】
「聖十字架伝説」フレスコ画は以下のサイトの右下「GALLERY」→「Enter」から一部をご覧になれます。
Basilica of St. Francis
http://www.museistataliarezzo.it/en/museo-san-francesco (英語)
こちら↑には開館時間、入館料等も記載されています。
聖アゴスティノ聖堂の左手奥、ミネルヴァ通り (Via della Minerva)に面した小さな聖堂です。
扉口上のティンパヌムにはキリストの浮彫が見えます。
(写真が無かったのでGoogleストリートビューを埋め込んでみました。)
駅前のレプッブリカ広場 (Piazza della Repubblica)北東端から、スピネッリョ通り (Via Spinello)を南東に進み、コルソ・イタリア (Corso Italia)に左折してまっすぐに丘に向けて登って行くと、セテリア通り (Via di Seteria)との交差点の右角に矩形の高い鐘楼が見えてきます。
通称「百の穴」と呼ばれ、塔の四面に二連の尖塔形窓が左右二列に並び、五層になって連なるという、正に穴だらけに見える鐘楼があります。
聖堂正面は細い円柱とアーチが繋がる柱廊が三層になっており、扉口には12カ月の風物を模した寓意が浮彫で飾られています。
典型的なトスカーナ・ロマネスク様式の聖堂です。
後にヴァサーリの手が入っていると言われています。
聖堂内は三廊式で、ラテン十字形の大きな聖堂です。
13世紀製のマギの礼拝の浮彫のある洗礼盤があります。
中央祭壇にはロレンゼッティ (Pietro Lorenzetti)1320年作の受胎告知や聖母子の多面祭壇画が飾られています。
【関連URL】
Italiavirtualtour.it (伊語)
「Pieve di Santa Maria」
http://www.italiavirtualtour.it/dettaglio.php?id=94763
初期画面は「聖堂正面」ですが、内部のヴァーチャルツアーも可能です。
画面右下の△マークをクリック→ 左から2番目の□4つアイコンクリック→
Abside:後陣
Altare:祭壇
Cripta:地下聖堂
Navata Centrale:身廊
を選択することで内部が表示されます。
全画面表示するには「→が4つ広がっているアイコン」をクリック。
迫力満点ですねー。
駅前のレプッブリカ広場 (Piazza della Repubblica)北東端から、スピネッリョ通り (Via Spinello)を南東に進み、コルソ・イタリア (Corso Italia)に左折して、二本目の太い通りにあたるガリバルディ通り (Via Garibaldi)を右折すると聖堂前の広場に出ます。
聖堂の右手には尖塔の載る鐘楼があります。
正面は扉口が一カ所で上に小さな丸窓があるだけの小さな聖堂に見えますが、聖堂内は三廊式で奥行きのある大きな聖堂です。
聖堂の左手を進むと聖ジミニャーノ聖堂があります。
【関連URL】
Italiavirtualtour.it (伊語)
「Chiesa di Sant'Agostino - sec XIII」
https://www.italiavirtualtour.it/dettaglio.php?id=94753
初期画面は「聖堂前広場」ですが、内部のヴァーチャルツアーが可能です。
画面右下の△マークをクリック→ 左から2番目の「□4つアイコン」クリック→「Navata Centrale」で身廊、「Altare」で祭壇が表示されます。
全画面表示するには「→が4つ広がっているアイコン」をクリック。
迫力満点ですねー。