ピストイア Pistoia_2
ピストイア Pistoia_2
11. Chiesa di San Salvatore 聖サルヴァトーレ聖堂
12. Chiesa di Santa Maria del Carmine サンタマリア・カルミネ聖堂
13. Chiesa di Santa Maria delle Grazie サンタマリア・デラ・グラツィエ聖堂
14. Basilica della Madonna dell'Umiltà マドンナ・デルミルタ聖堂
15. Chiesa di Santa Maria a Ripalta サンタマリア・リパルタ聖堂
16. Pieve di Sant'Andrea 聖アンドレア聖堂
17. Chiesa dei Santi Prospero e Filippo 聖プロスペロとフィリポ聖堂
18. Chiesa della Santissima Annunziata 聖母受胎告知聖堂
19. Chiesa dello Spirito Santo 聖霊聖堂
11. Chiesa di San Salvatore 聖サルヴァトーレ聖堂
ドゥオーモから東に向かってすぐのトンバディカティリナ通り (Via Tomba di Catilina) にあります。
小さな聖堂です。
正面には扉口が一つ、上のティンパヌムには浮彫がありますが、風化していて良く分かりません。
屋根の上には十字架がありますが、現在廃墟となっており、聖堂の機能を果たしていません。
12. Chiesa di Santa Maria del Carmine サンタマリア・カルミネ聖堂
街の中心から北に向かうとカルミネ広場 (Piazza del Carmine) があり、その奥に聖堂があります。
右手には鐘楼がある立派な聖堂です。
13世紀に建立された古い歴史を持ちますが、数度の改修を経た後、ナポレオンの占領下で廃院にされ、20世紀になって修復された新しい聖堂です。
13. Chiesa di Santa Maria delle Grazie サンタマリア・デラ・グラツィエ聖堂
街の中心からブオンファンティ通り (Via Buonfanti) を北東に向かうと、ロレンツオ広場 (Piazza San Lorenzo)に出ます。その広場の西端に佇む小さな聖堂です。
1336年に病院で寝たきりの少女の枕元に聖母が現われて、少女を救った奇跡から、その部屋を現在の場所に移設して建設されたとされています。
1336年に病院で寝たきりの少女の枕元に聖母が現われ少女を救った奇跡から、その部屋を現在の場所に移設して建設されたとされています。
なお、広場の奥 (写真右手奥)に聖ロレンツオ聖堂があります。
聖堂内は単廊式で、ルネサンス様式を示しています。
14. Basilica della Madonna dell'Umiltà マドンナ・デルミルタ聖堂
ドゥオモ広場 (Piazza del Duomo)の北西の端から西に向かうオラフィ通り (Via degli Orafi)を進み、通りの名前がマドンナ通り (Via della Madonna)と変わった先の右側にあります。旧市壁を出て直ぐの場所です。
大きなドーム (イタリア語:cupola)を載せた聖堂で、遠くからもその存在が目立ちます。
初期ルネサンス様式で建設され、方形のアトリウムと1562年にヴァザーリ (Giorgio Vasari) が設計した八角形の聖堂とロマネスク型の建屋が接続した形をしています。
聖堂内には、1370年頃に描かれた聖母子像のフレスコ画がありましたが、ピストイア周辺で戦闘が行われていた際、聖母の額から聖血が流れ出るのが見られ (1490年7月17日) 、それは数日にわたったとされています。
ピストイア市民の要望で1495年から聖堂の拡張建設が始められましたが、屋根にドームが載るまでに長い年月がかかっています。ドームの直径は22mでフィレンツエ大聖堂のドームと同様に二重構造になっていますが、半分の長さです。
1579年に奇跡の聖母子像のフレスコ画は主祭壇に安置されますが、その後も聖堂の亀裂は収まらず、補強工事が行われました。
この聖母子像のフレスコ画は司教により奇跡を起こしたと認定されたことで、一層聖母子画を崇敬するようになったとされています。
この他にも華やかな絵画で飾られています。
関連URL
マドンナ・デルミルタ聖堂 公式Webサイト(英文)
15. Chiesa di Santa Maria a Ripalta サンタマリア・リパルタ聖堂
ドゥオーモ広場 (Piazza del Duomo)の北西の端から北へ向かうブラッチョリーニ通り (Via dei Bracciolini)を進み、サピエンツァ広場 (Piazza della Sapienza)の手前を左折し、突き当たりのデ・ロッシ通り(Via de'Rossi)で右折します。
道の名前がサンタンドレア通り (Via Sant'Andrea)に変わり、左側に見える聖アンドレア聖堂を過ぎ、一本目の三差路で右折してリッチャルデット通り (Via Ricciardetto)に入ります。その先の交差点を過ぎるとすぐ右側にあります。
北の城壁に近く、町の大きな市場がある地域で、地域に密着した聖堂です。
12世紀に建立された単廊式の聖堂ですが、14世紀に中央祭壇の両脇に礼拝堂を追加建設したことで、ラテン十字形の聖堂となっています。
なお、17世紀にナルテクスのようにポルティコを追加したことで、聖堂が道路から奥まり、見逃してしまいそうになっています。
16. Pieve di Sant'Andrea 聖アンドレア聖堂
ドゥオーモ広場 (Piazza del Duomo)の北西の端から北へ向かうブラッチョリーニ通り (Via dei Bracciolini)を進み、サピエンツァ広場 (Piazza della Sapienza)の手前を左折し、突き当たりのデ・ロッシ通り(Via de'Rossi)で右折します。
道の名前がサンタンドレア通り (Via Sant'Andrea)に変わると、左側に見えてきます。
ロマネスク様式の聖堂です。
聖堂の正面は白と緑の縞模様で飾られ、3ヵ所の入口の脇のコリント式の柱頭飾りのある丸柱が、五つのアーチが支えています。
ティンパヌムには聖アンドレアの立像が、左右には人と想像上の動物を襲うライオンの彫刻が見られます。
扉口の上の楣石には東方三王の訪問を描いた浮彫、1506年作、が見られますが、この題材を描いた浮彫はきわめて珍しいものです。
聖堂内は三廊式です。
左右にアーチを支える円柱が並んでいますが、柱頭飾りは一つとして同じものはありません。
正面主祭壇にはヴォルト・サント (Volto Santo) 型の着衣のキリストの磔刑像が置かれています。
アプシス上の半円蓋部分には12世紀頃の、荘厳のキリスト像が描かれています。
左手の説教壇は1301年当時、最大の彫刻家であり建築家であった、ジョヴァンニ・ピサーノ (Giovanni Pisano)が4年の歳月をかけて作成した傑作です。
説教壇の囲いには聖アンドレアの受難を表す浮彫をはじめ、5場面がありますが、特に最後の審判は、当時すでに評判の高かったオルヴィエート大聖堂の浮彫以上のものを作成する意気込みがあったことが記録に残っています。
ライオンと人と鷲が柱を支え、4大福音書記者の彫刻も見られます。
ジョヴァンニ・ピサーノは、父 (ニコラ)と共にシエナ大聖堂の説教壇を、そしてこの説教壇を作成した後に、ピサ大聖堂の説教壇を作っています。
ピサーノ父子はペルージャの大噴水 (Fontana Maggiore)の彫刻も共同作成しています。
Wikipedia にも特にこの説教壇のための項目があるほど有名なものです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Pulpit_of_
Sant%27_Andrea,_Pistoia_(Giovanni
_Pisano)(英文)
伊語のページの方が写真は多いのでこちら↓もごらんください。
なお、ピストイアには、ロマネスク様式の聖堂は他にもありますが、特にここ聖アンドレア聖堂と聖ピエール・マッジョーレ聖堂と聖バルトロメオ聖堂の三聖堂はその正面から見た構造や白と緑色の大理石を使った装飾方法、説教壇の構造など類似した点が多く、比較検討するのに適しています。
【注】
聖ピエール・マッジョーレ聖堂、聖バルトロメオ聖堂、をご参照ください。なお、ルッカ大聖堂の Volto Santoの項をご参照ください。
17. Chiesa dei Santi Prospero e Filippo 聖プロスペロとフィリポ聖堂
聖フランチェスコ聖堂前の広場公園 (Piazza San Francesco d'Assisi)の東端から南東に下るピエトロ・ボッツィ通り (Via Pietro Bozzi)を進み、通りの名前が サン・フィリポ広場 (Piazzetta San Filippo)に変わると左手にあります。
街の中央のやや西側に位置します。
街の建物の中に埋もれており、聖堂と言う印象はありません。
関連URL
Chiesa di San Prospero e Filippo Pistoia
http://www.vivipistoia.it/visitare/chiesa-di-san-prospero-e-filippo-pistoia/
開館時間や外観の写真が掲載。
18. Chiesa della Santissima Annunziata 聖母受胎告知聖堂
聖ピエール・マッジョーレ聖堂南側のサン・ピエトロ通り (Via San Pietro)を東に進むと左側のセルヴィ広場 (Piazza dei Servi)の先にあります。東側の城壁に近い位置です。
12世紀半ばに建立され、15世紀まで建設は続きましたが、16世紀から17世紀にかけてバロック様式に改修されています。
聖堂内にはカルディ(Lodovico Cardi)作の「降誕」が見えます。
19. Chiesa dello Spirito Santo 聖霊聖堂
街の中心、大聖堂のすぐ近く(北東側)にあります。
サンティグナチオ聖堂 (Chiesa di Sant'Ignazio)とも言われます。
聖堂の正面は粗石のままで、扉口が一つ、上に窓があるだけの、飾り気の無いロマネスク様式の聖堂です。
聖堂内部は三廊式で、両脇に礼拝堂が並んでいます。
中央祭壇は大理石の柱のなかに十字架を掲げるキリストの絵が見られますが、アプシス上の半円蓋に絵画はありません。
柱や左手の説教壇もネオクラシック様式の美しい聖堂です。
大きなパイプオルガンがあります。外観とは大きな乖離が感じられます。