ブリジゲッラ Brisighella
ブリジゲッラ (Brisighella)は、ポー川に沿って開けたエミリア・ロマーニャ州ラヴェンナ県 (Ravenna)にある町。
アクセス
ボローニャ(Bologna)から電車で東に向かって40分ほどのファエンツァ (Faenza)からは、電車で10分ほどの近さです。電車の本数も1時間に1本はありますので、気軽に訪問できます。一方、フィレンツェからも訪問することができますが、2時間ほどかかります。
概 要
イタリアの美しい村、と言われる村の一つで、その評価も納得させられる落ち着いた村です。
駅に着いて最初に目に入ってくるのは、山の上にある時計塔 (Torre dell'Orologio)です。この時計塔は19世紀に造られたものですが、元となった砦は13世紀に建設されていたものです。
さらに奥の山の上には1228年にファエンツァの支配者であったマンフレディ (Francesco Manfredi)により建設された城 (Rocca Manfrediana e Veneziana)が聳え、村からあたり一帯を睥睨しています。
15世紀半ばに強固な造りに改築され、現在では台形の上辺の隅に二本の円筒型の塔がある美しい姿を見せています。
更にその奥の山の上には修道院があります。時計塔から城に向かい修道院を訪れるには三か所の山を登ることになります。村を代表する三か所を訪問するには、山道を登ったり下りたりするので、かなりの運動量となります。
村は中世の街並みそのもので、曲がりくねった見通しの悪い細い道が東西の谷間に沿って繋がっています。特に注目されているのが、通称ロバの道 (via degli Asini またはvia del Borgo)と呼ばれる建屋の中にある道です。
イタリアの多くの街で見られるポルティコが建物の二階に乗っているような非常に珍しい造りになっています。つまり、一階部分は通常の建屋になっており、その上に道があるので、一階部分の屋根の上が通りになっています。ここの特徴はその波打つ道に沿って、建屋が並んでいるのでここを通っている限りでは普通のポルティコを通っているように思えることです。
更にその上にも建屋があります。道からこの連続している建屋を見あげると、四階建ての建物が連なっているだけで、二階部分に通路があるようには見えません。
これは中世時代の一種の城壁とみなされます。山に沿って城壁を作り、その上を道とし、道に沿って建屋を並べ、その上に建屋を重ねたと考えるとわかり易いかもしれません。その奥の山の上には砦と城が控えているのです。
小さな村ですが、見どころが多く、しかも特徴に富んでいるので、一つ一つ訪れているといつの間にか時間が過ぎてしまいます。魅力のある村です。
その他の情報
ブリジゲッラについては、こちらのPDFファイルが詳しい。
「イタリアふれあい街歩き」→「イタリア州別区分地図」→「エミリア・ロマーニャ」→「ラヴェンナ県」→「PDFファイル ブリジゲッラ」←(リンク先は「PDFファイル」なので、右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選択してダウンロード後、PDFリーダー(Acrobat Reader等)で好みのサイズにして読むのが良いでしょう。
ブリジゲッラ村の美しい写真
「旅の写真帳」→「イタリアの美しい村と町」→「ブリジゲッラ」
1. Ss. Michele e Giovanni Battista 聖ミケーレと洗礼者ヨハネ聖堂
駅前から公園 (Parco Ugonia)を右手に見て進み、ローマ通り (Via Roma)を右折して進むと聖堂の前の広場に出ます。村の中心地にあります。
17世紀に再建されたギリシャ十字形の聖堂です。聖堂の前には広場があり、村人の集まる喫茶店があります。
聖堂内正面の主祭壇にはキリストの磔刑像の脇に小さな六人の聖人像が並び、アプシスには聖ミケーレの絵が掲げられています。
16世紀のレーニ (G. Reni)の作品のコピーとされています。
右手の祭壇はベルトゥッチ (G. B. Bertucci )作キリストの磔刑像があり、左手の祭壇は聖母子です。
聖母と聖人、十字架降下などの作品の他、洗礼盤を含めて16世紀に作成されています。
2018年現在聖堂を補修中です。
2. Suffragio サフラッジオ聖堂
聖ミケーレと洗礼者ヨハネ聖堂、の左側面に沿ってフォッサ通り (Via Fossa )を進み、左にレクペラティ通り (Via Recuperati)が見え、その次に左に曲がる階段を登ると右手にあります。
小さな聖堂で、時計塔から村を見下ろすと鐘楼を備えた屋根が見えますが、街の解説書にも記載はなく、詳細は不明です。
3. Santa Maria degli Angeli o Dell'Osservanza サンタマリア・デリ・アンジェリ聖堂
駅前から山に向かい、ローマ通りで左折すると左側の道から奥に入った所にあります。
1518年に建設された歴史を持っています。
入口には三連のアーチが並ぶ柱廊があります。鐘楼は右奥にあり、回廊を持った大きな聖堂です。
聖堂内は三廊式で、左右廊に礼拝堂が並んでいます。キリストの十字架降下、聖フランチェスコ、聖母子、聖ジャコモ、の礼拝堂が並びますが、16世紀に制作されたものです。
4. Santuario della Madonna del Monticino 聖母修道院
村から城に向かって舗装された車道 (Viale Giovanni Pascoli)を登って行き、城を過ぎて更に進み、ロンターナ通り (Via Rontana)が、聖堂に向かう細い道に変わります。
なお、聖堂への近道の脇にはキリストの道行を示す祠が並んでいます。それぞれに小さな浮彫があります。
頂上に聖堂があります。
正面には入口が一か所あり、コリント式の柱頭飾りがついた、バロック様式の聖堂です。
1758年に建設されています。
二層に壁龕がありますが、像は内蔵されていません。右に鐘楼があります。
5. San Giovanni in Ottavo (Pieve del Tho) 聖ヨハネ聖堂
駅から鉄道の線路に沿って南下し1.5kmほど進むと線路の反対側に見えて来ます。葡萄畑の真ん中にポツンとあります。
5世紀にローマ帝国皇帝テオドシウス (Theodosius)の娘のガッラ・プラチーディア (Gallia Placidia)により建設されたとされる古い聖堂ですが、11世紀にロマネスク様式に改築されています。
注:ガッラ・プラチーディア (Gallia Placidia)についてはRavennaを参照ください。
聖堂内は三廊式で十二本の柱が聖使徒を表しています(内部写真はこちらをご覧ください)。
なお、聖堂の開門時間については、季節や曜日により不規則です。
以下のWebサイトに「Orari di apertura:(開門時間)」が記載されていますのでご確認ください。
こちら↓です。
Welcome to Brisighella「PIEVE DI SAN GIOVANNI IN OTTAVO」
https://www.brisighella.org/scopri-brisighella/il-borgo/pieve-di-san-giovanni-in-ottavo/
その他の情報
内部の写真等はこちらにあります。↓
http://www.archeobologna.beniculturali.it/ra_brisighella/pieve_tho/pieve_tho.htm