バッサーノ・デル・グラッパ Bassano del Grappa

バッサーノ・デル・グラッパ (Bassano del Grappa)は、ヴェネト州ヴィチェンツァ県 (Vicenza)にある町。食後酒「グラッパ」と「白アスパラガス」で有名。
グラッパについてはWikipedia「グラッパ」
白アスパラガスについてはこちら↓
(たび・こふれ)
【アクセス】
パドヴァ(Padova)から鉄道で北に向かい、約1時間で到着します。ヴェネツィアからも1時間ほどで行くことができます。
駅前から真っすぐ西に300mほど進むと、14世紀に建設された城壁に囲まれた旧市街に到着します。
中心部のリベルタ広場(Piazza Libertà)には、ヴェネツィアの支配を表象する翼のあるライオン像(Statua del Leone di San Marco:福音伝道者聖マルコを翼のあるライオンの形で表した)があります。

【ヴェッキオ橋】
ブレンタ(Brenta)川にかかるヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)は街の観光の目玉として、蒸留酒のグラッパと共に町おこしに一役買っています。
13世紀の初めに最初に建設されたようですが、16世紀にパッラーディオ(Andrea Palladio)の設計で架橋し直されています。歩く部分はもとより、橋脚部分も木製の橋で、洪水や度重なる戦闘のせいで、何回も破損しては (8回破壊されたとのことです) 掛け直されています。
現在の木製の橋は、第2次大戦で破壊された後に、16世紀の橋を基に修復されています。橋のたもとに立つと、見ただけで蛇行していることが分かります。歩いて渡ると、傾いていて歪んでいることが良く分かります。堂々とした屋根付きの橋ですが、橋から少し離れて眺めても波を打っていることが分かります。
現在(2017年)修復中ですが、渡ることはできます。修復までには時間がかかると思われます。なお、橋の両端の構築物は16世紀のままです。
橋のたもとにはグラッパが飲める店があり、昼間から嗜んでいる人々を見かけます。グラッパの博物館(Il Poli Museo della Grappa)もあります。また、陶器の産地でもあり、陶器を展示した博物館もあります。
1. Duomo 大聖堂 (Santa Maria Assunta in Colle)

入って右側に主祭壇があり、キリストの磔刑が飾られています。
右壁には受胎告知を表す大理石の像のある祭壇に、16世紀半ばにヤコポとフランチェスコ(Jacopo Bassano e Francesco il Giovane)の描いた、キリストの割礼 (原画は市立博物館に収容されています) の絵が飾られ、続いてヴェネチアの画家、ノガリ(Giudeppe Nogari ) が18世紀制作した、ピエトロに天国の鍵を渡すキリストの絵が掲げられた祭壇があります。
主祭壇の右側の祭壇は聖ロレンツォと聖ルチア礼拝堂で、レアンドロ(Leandro Bassano)が17世紀に制作した絵が掲げられています。
左手にはロザリオの聖母子像があり、同じくレアンドロ作で、聖母戴冠を見上げる聖人達、が描かれた絵が掲げられています。
2. Santo Angelo Custode 聖守護天使聖堂

旧市街の中心のリベルタ広場 (Piazza Libertà)から東南にローマ通り(Via Roma)を進み、旧市街を囲む城壁の門の一つ、ディエーダ門 (Porta Dieda)に向かいます。門が見えてきたら、右手のアンジェロ広場 (Piazza dell'Angelo)に入ると、聖堂前の広場から聖堂とその奥にある鐘楼が見えてきます。
大きな聖堂ではありません。現在は天使聖堂(Chiesetta dell'Angelo)と呼ばれていますが、催事場として利用されており、聖堂としての役割を果たしていません。
3. San Donato 聖ドナート聖堂

ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)を渡り、アンガラノ通り(Via Angarano)に進み、直ぐに左折して聖ドナート通り(Via San Donato)に入ると左手に見えてきます。聖ドナート通りは狭い路地で、見落としがちです。よく見ると建屋と建屋を繋いでアーチ型の門があり、上にテラコッタ製の案内板に道の名前が書かれています。
道に沿って聖堂の脇に聖人の像が立っています。
12世紀に建設されたフランチェスコ派の聖堂で、13世紀には領主のエッツェリーニ(Ezzelini il Monaco)2世がここで息子たちに財産分与を行ったとされています。
その後女子修道院を経て現在に至っています。伝承ではパドヴァの聖アントニオが訪問して、エッツェリーニ3世と会ったとされています。
扉口は一つだけで、切妻式の屋根で何も装飾の無い簡素な聖堂です。

聖堂内は単廊式で、主祭壇には玉座の聖母子の両脇に大天使ミカエルと聖人を描いた、フランチェスコ (Francesco Bassano)作の絵が掛けられ、凱旋門アーチの前には聖母子と聖人の立像が置かれています。
4. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

旧市街の中心にあるリベルタ広場(Piazza Libertà)の東側にあるガリバルディ広場(Piazza Garibaldi)に面しています。
広場から見ると丸窓が一か所だけの、石の塊のような建屋で、まるで要塞のように見える大きな聖堂です。

聖フランチェスコ修道院の壁面に描かれていた、聖フランチェスコの生涯、を描いたフレスコ画や、聖堂内に飾られていたと思われる14世紀にルカ(Luca da Vicenza)が制作した聖人画や、ガリエント(Guariento)作のキリストの磔刑の板絵等を見ることができます。

また、Bassano出身の画家ヤコポとフランチェスコ(Jacopo Bassano e Francesco il Giovane)が大聖堂のために描いた、キリストの割礼の原画が展示されています。その他多くの作品が展示されています。
5. San Giovanni Battista 洗礼者聖ヨハネ聖堂

旧市街の中心にあるリベルタ広場(Piazza Libertà)に正面がある大きな聖堂です。
入口が三か所あり、中央入口の両脇に4本のコリント式の柱頭飾りを施した円柱が切妻屋根の破風を支える、堂々とした構造です。

聖堂内は横に広がった構造で、左にある秘跡の礼拝堂には大天使ミカエルや守護天使の立像が立ち、上には子供の天使が飛翔しており、中央には彫刻で飾られた華やかなキボリウムが置かれています。
荒野の洗礼者聖ヨハネは18世紀のヴェネチア派の画家、ピアツェッタ(Piazzetta)の作品です。
6. Santa Maria delle Grazie サンタマリア・デレ・グラツィエ聖堂

城門を通って城内に入り、マルティーリ通り(Viale dei Martiri)を進み、振り返ると門の左側には城門を守る方形の塔があり、右手には聖堂があることが分かります。
城門の名前 (Grazie)は場内を守るために、城門に接して建設された聖堂の名前に由来しています。
フラッテ・チェントロ Fratte Centro
パドヴァ(Padva)から電車で30分ほどの所にある村です。さらに30分ほどで、バッサーノ・デル・グラッパ (Bassano del Grappa)に到着します。