カステルフランコ・ヴェーネト Castelfranco Veneto

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Torre Civica (東門)
Torre Civica (東門)

 カステルフランコ・ヴェーネト (Castelfranco Veneto)は、ヴェネト州トレヴィーゾ県 (Treviso)の都市。

 

 

 こちら↓に情報がありました。  

「パドヴァのとっておき」「カステルフランコ・ヴェネト」

 

【アクセス】

 パドヴァ (Padova)から鉄道で北に向かうと30分程で到着します。トレヴィーゾ (Treviso)から鉄道で西に向かうと、同じく30分程で到着します。なお、そのまま進むとチッタデッラ(Cittadella) に行けます。

 

 ヴェネツィア(Venezia)からは、トレヴィーゾ経由で1時間かかります。

 どの街からも1時間に一本は運行されていますので、簡単に訪問することができます。

 

 鉄道の駅は街の南にあります。駅前のメリキオーリ通り(Via Natale Merchiori) を西に向かい、道なりに右折してボルゴ・ピエーヴェ通り(Borgo Pieve)で北に向かい、城壁が見えてきたら、コルソ・4月29日通り(Corso 29 Aprile)を進んで、東門 (Torre Civica)から城内に入ります。東門には城にも負けない高い塔が立っています。駅から城内まで1kmほど歩くことになります。城壁内は一辺が1kmほどの小さな街ですから簡単に歩いて回ることができます。

 

 石畳の敷かれた、落ち着いた独特の雰囲気を醸し出している城下町で、日帰り旅行として散策するのにお勧めです。

 なお、近くのチッタデッラ (Cittadella)は円形の城壁が取り囲む城壁都市です。鉄道で15分程の距離ですから、二つの城下街を訪問して比較してみるのも興味深いと思います。

 

城壁とGiorgione像
城壁とGiorgione像

【歴史】

 12世紀ころの北イタリアでは、都市が教皇派と神聖ローマ帝国派に分かれて抗争が続いていました。当時は街の間で合従連衡が盛んでした。

 

 街の歴史は、12世紀の末に、パドヴァが出城として北にチッタデッラの街を建設したことへの対抗手段として、トレヴィーゾが出城として西に建設したことが始まりです。

 

 その後13世紀半ばには一時、バッサーノ・デ・グラッパの領主のエッツェリーノ3世(Ezzelino III da Romano)に占領されますが、14世紀にはより強力なヴェローナ(Verona)の領主のカングランデ1世(Cangrande I della Scala)に占領されるなどの経過を経て、14世紀半ばにトレヴィーゾとともに、ヴェネツィアの支配下に入ります。

 

 

【街を歩く】

 ほぼ正方形の城壁が取り囲む城壁都市で、外堀は水濠でしたが、現在では空濠になっています。城内は条里制がとられ、南に大聖堂、北西に城、中央に市庁舎があり、分かり易い街並みになっています。

 

 街の発展とともに、城壁内では手狭になり、現在では城壁の北の外側にあるジョルジョーネ広場 (Piazza Giorgione)に並行して、近代的でおしゃれな商店が並んでいます。

 

 また、この街は、画家のジョルジョーネ(Giorgione Barbarelli)の生誕の地です。ヴェネツィアのアカデミア博物館に収容されている代表作の一つ、「嵐」(La Tempesta)など、作品は各地で見受けられますが、ここにも名画が収められています。

  Wikipedia →「テンペスタ」 

  

1. Duomo 大聖堂 (Santa Maria Assunta e San Liberale)

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 城内の南側城壁の中央に位置しています。

 

 東門から真っすぐ伸びるフランチェスコ通り(Via Francesco Maria Preti)を中央まで進むと右手に市庁舎があり、左手にはサン・リベラーレ広場(Piazza San Liberale)があります。広場の前には壁に沿って左右に三体ずつ石像が並んでおり、その奥に大聖堂があります。

 

 18世紀初めにそれまであったロマネスク様式のサンタマリア・アッスンタ聖堂を改築して建設されています。

 聖堂正面は四本の円柱が三角形の破風を支え、屋根の頂点に聖母が、両端には聖ヨハネと聖リベラーレ像が載り、一段下がって両側に天使像が見えます。

 

 パッラーディオ (Andrea Palladio)が設計した、ヴェネツィアのレデントーレ聖堂(Santissimo Redentole)の正面とよく似た造りになっています (リンクをクリックすると新しいタブで開きます)

 

 

 

聖リベラーレは4世紀の殉教者で、トレヴィーゾの街の守護聖人です。12世紀末にトレヴィーゾがこの城塞都市を建設する際にこの聖人に奉献して大聖堂を建立しています。

 

 聖堂内はラテン十字形で、両脇に礼拝堂が並んでいます。

 

リンボ (孩所)への降下 (Discesa dal Limbo)
リンボ (孩所)への降下 (Discesa dal Limbo)

 

 中央主祭壇には、ポンキーニ(Gian Battista Ponchini)作、「リンボ (孩所)への降下(Discesa dal Limbo)」が飾られています。

 

被昇天の祭壇 (L'Altare dell'Assunta)
被昇天の祭壇 (L'Altare dell'Assunta)

 

 右袖廊には大理石製の大きな聖母被昇天が置かれています。

 

 

 

 

 

 側壁にはザンキ(Antonio Zanchi)作の「聖アンドレアの処刑」、ベッカルッツィ(Francesco Beccaruzzi)作「聖アンナとザッカイア」、パルマ(Palma il Giovane)作「聖セバンチャンの処刑」などの絵画が礼拝堂に掛けられています。

 

 なお、右手奥の礼拝堂に、ジョルジョーネ1503年作の「聖母子と聖フランチェスコと聖ニカイオ(Nicasio)」の祭壇画があります。21世紀になって画家の生地に戻ってきた名画です。

 

 

 現在では単に「カステルフランコの祭壇画(Pala di Castelfranco)」と呼ばれています。

 

 この絵を見るためだけでも、訪問する価値はあります。

 

 

 

 大聖堂の左手奥にはジョルジョーネの生家があり、美術館(Museo casa Giorgione)になっています。

聖具室
聖具室

 

 また、左手の聖具室には、ヴェロネーゼ (Paolo Veronese)作の「正義(Giustizia)」と「節制(Temperanza)」のフレスコ画が色鮮やかに残っているのを見ることができます。

 

節制 (Temperanza)
節制 (Temperanza)
正義 (Giustizia)
正義 (Giustizia)

2. San Giacomo 聖ジャコモ聖堂

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 城壁の東門から東に向かいリカッティ通り(Via Riccati)を進み、一本目の細いサンジャコモ通り(Via San Giacomo)に右折すると聖堂の正面に出ます。

 

 14世紀に建設されましたが、18世紀後半にヴェネツィアの圧力で閉鎖されています。

 

 現在では音楽学校 (Conservatorio Statale Succursale)になっているようです。

内部の様子 (Wikimedia Commonsより)
内部の様子 (Wikimedia Commonsより)

3. Santa Maria della Pieve サンタマリア・デラ・ピエーヴェ聖堂

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 駅前を東西に走るメリキオーリ通り(Via Natale Merchiori)を西に向かい、道なりに右折してボルゴ・ピエーヴェ通り(Borgo Pieve)に入り、北に向かうと右手にあります。城壁の外にある聖堂です。

 

 18世紀に建設された聖堂で、正面には四本のコリント式の円柱が三角形の破風を支える新古典様式の大きな聖堂です。

 

 右手にひときわ大きな鐘楼があります。

 

 聖堂内は三廊式です。

 

 正面主祭壇にはキリストの磔刑像と両脇に聖母と聖ヨハネの立像があります。

 

 主祭壇を囲むように馬蹄形に聖歌隊席が並び、側壁にオルガンが掛けられています。

 

 両側廊に一か所ずつ大きな礼拝堂があり、荘厳のキリストと聖セバスチャンと聖フランシスコの大理石像が並ぶ礼拝堂と、

 

 天使が祝福する生誕の礼拝堂があります。

 

 そのほかにも祭壇が並んでいます。