オローパ Oropa

オローパ (Oropa)は、ピエモンテ州ビエッラ県にある街です。
【アクセス】
ビエッラ(Biella)の街から車で1時間ほどアルプスに向かって山道を登って行った先にあります。1200mを超える山の中にあり、天候の変化も激しいところです。
ビエッラの駅前からオローパに向かう直行のバスがありますが、一日に運行される本数は少ないので事前に運行時間を確認しておくことをお勧めします。なお、ビエッラの旧市街にあるズマリーニ公園の前のベルトダノ通りを経由しますので、ビエッラの旧市街に宿泊した場合にはここから乗車することができます(「ビエッラ Biella」のページも参照ください)。
【観光】
季節によって多くの信者、観光客が訪れます。途中の山道も車が渋滞しますし、修道院の敷地内も混雑しますので、時間にゆとりをもって行動することが必要です。
【オローパ修道院 (Santuario di Oropa)】
広大な敷地に広がる修道院で、旧聖堂や新聖堂を含む施設全体の総称です。
ユネスコ世界遺産に指定されています。
入口前は広い駐車場になっています。門から一番奥にある新聖堂までは、なだらかな坂になっており、500mを超えます。その間には二つの中庭があり、両脇には200を超える修道僧の宿坊が並んでいます。
宿坊の一部は現在宿泊施設となっており、限定された期間は、予約することで宿泊できます。信者や観光客を対象とした多くのレストランや土産物店もあります。
公式Webサイト「https://www.santuariodioropa.it/」
「Immagini e Video」には画像と動画があります。
1. Basilica Antica 旧聖堂 (Basilica della Madonna Nera)

修道院の入口の両脇に修道院の事務所がある中庭に出ます。正面にはサヴォイア家のヴィットーレ・アマデオ2世により1764年に建設された、階段を上がり、門状の建屋が見えています。この建屋には誓願者の納入品や宝物が収納されています。
建屋を通り抜けて、上段の中庭に出ると噴水の形をした井戸が中央に見えます。その先の右手にあります。

4世紀にヴェルチェッリ(Vercelli)の司教だった聖エウセビウス(San Eusebius)が遠く、エルサレムの地から持ち帰ったとされる聖母子の彫像が祀られている聖堂です。
この彫像は四大福音書記者の一人の聖ルカが天使の力を借りて制作したとされています。黒い木で作られていますので、オローパの黒マリア像と呼ばれています。

当初、オローパの黒マリア像は岩屋のような祠に祀られていましたが、17世紀の初めに現在の聖堂が建設され、その中に収容されました。
聖堂はルネサンス様式で、入口が一つ。両脇には二本のイオニア式の柱頭飾りのある円柱が建ち、上には二体の天使が見えます。

聖母は左手で、祝福のポーズをするキリストを抱き、右手で十字の載った球を持っています。
金の冠をかぶり、金色の衣を着て、長い青布を持っています。この聖母子像は多くの聖堂でその複製を見ることができます。
キボリウムは裏手に回ることができ、右手の横から聖母子像を間近に見ることができます。